趣味と暮らすラーチ合板の家②


before・after
1階


2階


兵庫県伊丹市の幹線道路脇の住宅街にて、中古住宅をリノベーションしました。
構造が確認できる範囲まで内部解体した後、外部に面する壁・天井を耐震補強と仕上げを兼ねラーチ合板にし表し仕上げとしました。
その中で、ゆったりとした面積と吹き抜けを持った玄関土間の空間を軸に計画しました。
正面にはグレーの表情を持った二丁掛けタイルの壁が重量感を持って存在しており、そこに沿って階段を設け、吹抜けにより2階と繋がっています。備長炭入りの土佐和紙貼りの光を吸い込むような2階個室と、障子窓のついたシナ合板貼りのセカンドリビングはスノコ状の廊下で接続されている事で浮遊感を持たせ、それぞれの素材の特徴が引き立て合う事を意識して配置しました。
既存のアールを持ったレトロな形状の窓から落ちる光。
道路側に向けて腰掛けれる窓枠のついた開口部。
アプローチから続く、誘発目地を兼ねたライン状に埋め込んだ数種類のモザイクタイル。
リビングとの区切りである4枚の引き戸は、引き込んでフルオープンにして繋がる様になっています。
これらの要素が集まる事で、玄関が靴を履き替えるだけでなく、古い農家住宅が持つ土間ような様々な使い方が許容され、暮らしを豊かにする空間になればと思います。


玄関土間スペース
玄関は靴を履き替えるでけでなく、広々とした土間スペースで屋内でのDIYや自転車等の作業スペース、
植栽の緑を置いたり、子供達の遊び場など自由に使える豊かな空間になっています。
窓台ベンチもあり、玄関で会話をしたりとコミュニケーションの場としても利用可能!!
before
after



←コンクリートの下には断熱材を敷いているため、冬場でも暖かく過ごせます。
シナ材の造作建具
ラーチ合板とは違いやさしくきれいな雰囲気になります。全て開放することで、玄関とリビングがつながり大空間に。
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after



造作家具
造作TVボード、造作ベンチは地べたでくつろいだりお絵描きスペースなどにも活用できます。内壁にはラーチ合板を仕上げ材としているため木材に囲まれた暖かい印象にもなり、自由に塗装などもでき色々なデザインも楽しめます。
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after

天井には備長炭入りの土佐和紙を使用。
調湿性に優れ、1㎡あたり最大100ccの湿気を吸収します。
備長炭紙HW-74F/土佐和紙


床/アカシア無垢フローリング
タイル
玄関土間目地タイル、階段壁、洗面のアクセントタイル。貼り方を工夫すれば物足りなさがなくなりより良い空間になります。

ロンメル(LOM-02)/名古屋モザイク
階段/ゴム集成材
手摺/栂


アデオナ(ADE-07)、ミヌアノ(MIA-28-05)
パヴォーネ(PVO-09)、オルモナ(OLM-2249-540)/名古屋モザイク
フォルスカ(FAR-003、FAR-004、FAR-006)
/名古屋モザイク
木製玄関ドア
木の質感もよく重厚感があり断熱性◎機密性能も優れているため、心地よく快適に過ごせます。
外壁色も木との相性が良いグレイ系統に仕上げました。
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after




玄関木製断熱ドア/プレイリーホームズ
屋根/本瓦葺き 外壁/ジョリパッド吹付
2階セカンドリビング
やわらかい光が差し込む障子のお部屋は、たっぷり収納ができる造作本棚があり、家族の団欒・趣味スペース・お子様の遊び場など多目的に使えるセカンドリビング。障子を開放すると1Fと2Fで会話ができ、つながりを感じられる空間になっています。廊下はすのこにして、たくさんの光が取り込めるようになり明るさと開放感抜群に。フリースペースには広々とした造作デスクもあり、ご家族一緒に使うことができます。
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after




水まわり




浴室
TOTO サザン
キッチン
クリナップ KT
造作洗面
ミラタップ
トイレ
LIXIL ベーシア
■計画概要
設計 coil松村一輝建築設計事務所 松村 一輝(まつむら かずてる)
所在地 兵庫県伊丹市寺本
主要用途 一戸建ての住宅
竣工年 2024年5月
規模・構造 木造2階建て
用途地域 準住居地域 第三種高度地区 防火地域:指定なし
前面道路 幅員4.6m
敷地面積 131.28㎡(39.75坪)
建築面積 65.13㎡(19.71坪)
延床面積 117.01㎡(35.41坪)
1階床面積 65.13㎡(19.71坪)
2階床面積 51.88㎡(15.70坪)